丸田祥三みたいなミュージシャンがいたら、必ず嫉妬することだろう。
日本には才能にあふれる沢山の写真家たちがいて、今日も様々な被写体に向かい合っていることでしょう。僕はいろんな写真家の方たちの作品や人となりが大好きですが、2007年の日本において丸田祥三ほど「オルタナティブ」という言葉が似合う写真家はいないでしょう。
彼の脳内世界でしかあり得ない、懐かしさや破壊衝動を超えた強烈な印象の世界が、いったいどんなエフェクトをもって体現されているのかは彼にしかわからないことでしょう。リアルでも、フェイクでもない。昭和でも平成でもない。男と女と、鉄屑と青空だけ描き出す世界は、現代社会にあふれかえる様々なメタファーをくぐり抜け、真のクリエイティブを志す。
彼みたいなミュージシャンがいたら、必ず嫉妬することだろう。
「くるり」岸田繁―ミュージシャン